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大泉洋が滑ってない「アフタースクール」 [ネタバレ映画レビュー (日本)]


アフタースクール [DVD]

アフタースクール [DVD]

  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • メディア: DVD



アフタースクール」DVDで鑑賞したのは二度目。
とにかく大泉洋ちゃんが滑ってない!!という一言に尽きるのではないか。

我が家は「水曜どうでしょう」が大好きで、手帳もどうでちょうだし、一生どうでしょうしますのつもりだったりするわけなのだけれど、一生懸命見てあげて(押しつけがましいが)いるものの、大泉洋のドラマは、今までいまひとついただけなかった。
ミスター(鈴井貴之)関係の映画とか、シムソンズや昔々のパコダテ人とかはまあよかったけれど。

イタいヤツを演じたらいいのだけれど、少々格好いい役だと滑りまくって、痛々しくてみていられなかったというのが、これまでの大泉洋だった。
まあ、あくまでも私の主観だけれど。

一生懸命に見てあげたい(←これがたぶんファン心理だと思う)のだけれど、バラエティでも、ああ〜〜〜と思い、チャンネルを変えてしまう。
ドラマでも1話は見るけれど、そのあと見られない。
正直、滑って浮いて痛々しい大泉洋など見たくなかった……のだ。

しかし、「アフタースクール」は違っていた。
ここまで大泉洋の良さを引き出せる、内田けんじ監督はただ者ではない。

しかし特典を見たところ、そこにはどうでしょうで知っている「いつもの大泉洋」がいた。
……ということは、演出の素晴らしさだったのではないかな?
やっぱり???

ストーリーもかなり複雑?で、どこからどこまでが、敵なのか味方なのか、正義なのか悪なのか、最後まで全くわからない。
所々にちりばめられたごくごく小さな伏線が、後から生きてきて、最後まであきさせずに見せてしまう。

さて、初めて「水曜どうでしょう」を知ったのは、「ユーコン川160キロ」でだった。
ネットで無料公開されていた動画を夫からすすめられ見たのだが、大泉洋の最初の印象は「なんだ、このエラそーなヤツは?」というものだった。
しかし、その後見れば見るほどはまり、
苦しいときにも「どうでしょう」、
悲しいときにも「どうでしょう」、
辛いときにも「どうでしょう」、
時間をもてあましているときにも「どうでしょう」、
……というのが、我が家のリズムになった。

だから、大泉洋がドラマで主演した「おかしなふたり」も楽しみにしていたし……、しかし結果は……!
というわけ。

「アフタースクール」では、脇を固めている役者がとてもいい。
佐々木蔵之介と堺雅人という今や超人気実力俳優の「NHK朝ドラ オードリー」コンビ。
佐々木蔵之介を「オードリー」で初めて見たときは、その演技から目が離せなくなってしまった。また、ベテランなんだか、新人なんだかわからない、奇妙に印象深い役者さんだなと感じた。
堺雅人のソフトな演技も印象的だった。
このふたりはともに1999年の「女医」にも出ていたそうなのだけれど、どこに出ていたのだろう?
とても良いドラマで好きだったけれど、全く覚えていない。
今回もこのふたりの演技は見事。
個人的には、木村役の堺雅人が良かった。
佐々木蔵之介の微妙な奇妙なうさんくささは、この人なりの持ち味だと思う。

女優陣は常盤貴子に田畑智子。
常盤貴子はやっぱりきれいだし、個人的に大好きな田畑智子が効いています。
それに大御所、伊武雅刀だって、山本圭だって出ている。
でも、それだけでは、これまでの大泉洋なら、滑りまくって終わっていたに違いない…と思うのだ。

今回はテンポのよさと、抑えた普通の演技がとても自然で、安心して鑑賞できた。
特典映像を見ると、その秘密がよくわかる。
監督がOKを出せば、そのシーンはいいのだという、役者たちの安心感と信頼。
そういうものが重なり合って、複雑なストーリーでありながら、ちょっと笑わせ、ちょっと切なく、そしてなんだか格好いい作品に仕上がっているのだと思う。
使い方さえ間違わなければ、大泉洋は本当に良い役者なのだということが認識できると思う。

あと印象に残ったのは、ムロツヨシ
「キキコミ」での印象が強かったので、この刑事役はすごい。全くの別人。
というか、「キキコミ」の方が、ちょっと違った役どころだったのかもしれないが。
特典を見ると、ムロツヨシが目立っているのです、とても。
いい意味で周囲に盛り上げてもらっているという感じ。
私は「キキコミ」を見るまで、彼のことを認識していなかったのだが、「サマータイムマシン・ブルース」にも出ていたのですね。
今度見直してみましょう。

あと、尾上寛之。
今回は佐々木蔵之介演じる北沢のアダルトショップの店員役。
「虹の女神」などで見せる真面目な友人役とは全く違っていて驚かされます。
結構演技の幅が広いのでしょう。

で、大泉洋に話は戻るのだけれど、2009年7〜9月期にやっていた「赤鼻のセンセイ」は結構よかったのではないかと思う。
イタい滑ったヤツをやらせれば、もともと滑っているわけだから、プラスに転じるという見事な図式が成立したのだと思う。
あのドラマは、神木隆之介、須賀健太、というふたりの大物子役(まだ子役かな?)にも泣かされたので、助かったというところもあるのではないかと思うけれど、でも、この「アフタースクール」での経験が、役者としての大泉洋にかなりプラスに働いたハズなのでは?

2010年は、NHKの大河ドラマ「龍馬伝」に満を持して登場する大泉洋。
近藤長次郎を演じるという。
近藤長次郎は29歳という若さで切腹させられてしまうそうだが。。。
「アフタースクール」では、大泉演じる神野の同僚教師を演じた音尾琢真も望月亀弥太役で登場するらしいので、今から楽しみ。
既にNHK金曜時代劇「秘太刀 馬の骨」で怪演した音尾琢真には全く心配していないのだが、余計なお節介だと思いつつ、お願い、洋ちゃん、滑らないで〜〜と願い続けている今日この頃なのだ。

<データ>
★★注意: 主な出演を読むとネタバレします★★
監督・脚本: 内田けんじ
主な出演:
神野良太郎(大泉洋)…中学校の教師
北沢雅之(佐々木蔵之介)…アダルトショップを経営しながら探偵業もしている
木村一樹(堺雅人)…神野の中学時代の同級生でサラリーマン
謎の女(田畑智子)…神野久美子 神野の妹で警察官
佐野美紀(常盤貴子)…神野と北沢の中学時代の同級生 片岡の店でホステスをしていた
大黒(北見敏之)…木村の勤めている会社の社長
片岡(伊武雅刀)…ヤクザの親分
郷田捜査官(山本圭)…捜査の指揮をとっている
江藤議員(大石吾朗)…保守党の議員だが、実は最後にどんでん返しが
マナブ(尾上寛之)…北沢のショップの店員
甲斐捜査官(ムロツヨシ)…久美子の同僚
神野の同僚教師(音尾琢真)…職員室で北沢に質問される
メグ(桃生亜希子)…美紀と同じお店に勤めていたが、今はビデオ鑑賞店で風俗嬢をしている

2007年/日本/102分
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