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マイ・ボス マイ・ヒーロー(두사부일체) [ネタバレ映画レビュー (韓国)]

myboss.jpgマイ・ボス マイ・ヒーロー [DVD]

チョン・ジュノの映画をまたまた鑑賞。
とにかく韓国映画って、先生が生徒を殴る殴る〜。
いろいろなドラマや映画でそうだから、さすがに慣れてはきたけれど、やっぱりすごいわ〜。
日本だったら体罰教師として、すぐに大問題になってしまうでしょう。
なので、とにかく顔は似ているけれど、お国が違うという前提で見ることは大切よね。
特に海外の作品に対しては、自分の感覚だけで語ってしまってはいけないと思うし、その国の感覚を想像しつつ鑑賞することが、その国に対する敬意だと思うのです。

この映画、日本でも2006年に長瀬智也主演でドラマ化されたので、ずーっと気になっていて、ようやく鑑賞。

ケ・ドゥシク(チョン・ジュノ)はヤクザのボス(ボスとはいっても、上には大ボスがいる)。
高校中退のドゥシクは、会議で無知さを披露してしまい、大ボス(キム・サンジュン)から、高校の卒業証書を持ってくれば、明洞(ミョンドン)をまかせると言われてしまう。
ドゥシクの部下、自称大卒のサンドゥ(チョン・ウンイン)とテガリ(チョン・ウンテク)の尽力により。30歳のドゥシクは2年ダブりの20歳と偽り私立高校に編入する。

何とかして高校を卒業したいドゥシクは、不良たちから殴られても波風を立てず、おとなしく高校生活を送っている。
昼は高校生、夜は自分のシマの見回りと、忙しいながらも充実した毎日のドゥシク。
隣の席になった女生徒ユンジュは成績優秀だが、経済的に苦しく水商売のアルバイトをしていた。大学にも、大学院にも進学したいから、稼いでいるというユンジェの言葉に、どうしようもない無力さを感じるドゥシク。

ところがある日、学校側の不正が発覚する。学校側は、思い通りにならない教師を一方的にやめさせてしまう。そしてユンジェは不正をばらしたと一方的に決めつけられ、教師から暴行を受け、重傷を負ってしまう。
学校はドゥシクの一派と敵対するソンブク組が牛耳っていたのだ。

生徒たちから「おまえが闘うなら、自分たちも闘う」と言われるドゥシクだが、なんとしても高校を卒業したいドゥシクは、悪徳教師たちに歯向かおうとしない。
しかし、学校に不満をぶつける生徒たちを暴力で排除しようとする学校側により、大乱闘が始まる。

ソンブク組のヤクザも乗り込んできて、その様子を見ていられなくなったドゥシクは、闘い始める。ドゥシクの部下も参戦し、学校は大混乱となる。生徒もやめさせられた教師たちもドゥシクを応援するが、結局、ドゥシクたちは警察に連行されてしまう。

最後、刑務所の中でちゃんと勉強したドゥシクは無事、高校の卒業証書を受け取るのでした。で、大学に行けって、またまたボスに言われるというわけで、続編に続くのね。

後半は血みどろシーンもたくさん出てくるし、暴力も多いので、好き嫌いの別れる映画だと思う。でも最後の闘いの前、苦悩するドゥシクの様子はちょっと格好いい。この映画も、韓国映画の入門編としてではなく、やっぱり何本もの作品を見た後だと、おもしろさがわかるように思う。

隣の席の女生徒ユンジェはドゥシクにほのかな恋心を抱いているように描かれている。もう少しドゥシクの恋愛模様も見たかったけれど、高校生同士の恋愛ではなくて、30歳と女子高生の恋愛ということになるわけだから、深く描きようがないようにも思うので、あれでよかったのかも。

ドゥシクとサンドゥの組み合わせ、この映画では、ボスと副ボスですが、これが「ラストスキャンダル」で兄弟を演じたわけだったのね。
サンドゥのチョン・ウンインはとてもおかしくて魅力的。「ラスト・スキャンダル」よりも、サンドゥのほうが私的には好み。軽妙な感じで女性英語教師ジソン(ソン・ソンミ)をくどいていく様子は、とってもおかしい。ジソン先生が、格闘好きなのか、ヤクザ好きなのかよくわからないのだけれど、ドゥシクとジソン先生の関係については、もっと深く突っ込んでほしかったと思う。
ついでにオカマちゃんの生徒役のイ・デハクもいい味を出してます。

最後、ヤクザ同士が学校を取り合うみたいな感じはイヤだなって思っていたら、まさにそういう感じの展開に。。。でも、警察にきちんと連行されていたので、ちょっと一安心。

そういえば、学校の屋上にいた露出狂変態男、最後の乱闘シーンにもさりげなく登場していたけれど、「復活」のハウン(オム・テウン)の同僚刑事キム・スチョル役で出ていたコ・ミョンファンだったようだ〜。見直したら、確かに。。。

で、今回も韓国ヤクザが出てくる映画だったわけですが、韓国映画と日本映画とでは、登場するヤクザの描き方が違うというように思いました。
まあヤクザ映画(仁侠映画)をそれほどいっぱい見ているわけではないので、何とも言えませんが、日本のヤクザ映画といえば、映画で高倉健が演じた世界観の印象が私にはどうしても強い。あと、鶴田浩二とか、藤純子(富司純子)。新しいところでは、極道の妻シリーズ。美化しすぎているという批判もあるが、みんな静かで寡黙で時として激しく、格好良く描かれているものが多い。

あとは、若き日の香川照之が演じた「静かなるドン」シリーズかな?
私は一時「静かなるドン」のDVDと漫画にはまりまくったことがあるのだが、ドンちゃんのほうは、かなりギャグやコメディ要素も入っているし、サラリーマンとヤクザのかけもちなので、格好良すぎるということはなく、人間くさい感じがあった。

韓国映画のほうのヤクザの描き方のほうが、笑えるというか、バカっぽいというか、どうしようもないキャラクターとして登場することが多いように思う。
日本よりもっと笑いのネタにされているという感じなのかもしれない。

私が見た物の中では、韓国ドラマで格好よかったヤクザって「男の香り」のクォン・ヒョクス(アン・ジェモ)ぐらいかも?
映画版のほうの「男の香り」キム・スンウ主演はまだ見ていないけれど、もう少しすごみがあるというのをどこかで呼んだことはある。

機会があれば、「マイ・ボス マイ・ヒーロー2」も映画版「男の香り」も鑑賞したい。

「두사부일체」=「頭師父一體」
日本では體は骨が豊かで体の旧字。
頭(ボス)と師(先生)と父は同じようなもので、だから同じように従わなければならないという意味。

<データ>
監督・脚本 : ユン・ジェギュン
製作:キム・ドゥチャン イ・ヒョスン チョ・ユノ
撮影:ファン・チョリョン
音楽:イ・ウッキョン
主な出演:
ケ・ドゥシク(チョン・ジュノ)…高校中退のヤクザのボス。 
キム・サンドゥ(チョン・ウンイン)…ドゥシクの部下。二番手。自称大卒。
テガリ(チョン・ウンテク)…ドゥシクの部下。
イ・ユンジュ(オ・スンウン)…ドゥシクの隣の席の女生徒。水商売のバイトをしている。
ボンパル(パク・チョンギュ)…数学教師。ドゥシクのクラス担任。
イ・ジソン(ソン・ソンミ)…英語教師。サンドゥが思いを寄せる。
ホリス(イ・デハク)…オカマの同級生
校長(キ・ジュポン)…ヤクザとつながっている悪徳教師。
ヤン・ドンパル(カン・ソンピル)…ドゥシクのクラスの不良リーダー。
パク・キョンシル(チェ・ユラン)…ドゥシクのクラスの女生徒。
露出狂の変態男(コ・ミョンファン)…学校の屋上で生徒に向かって全裸をさらしたりする。
ドゥシクのボス(キム・サンジュン) 
ソンブク組のボス(ペ・ジュンシク)
 
2001年12月14日韓国公開/韓国/98分
日本公開 2005年5月7日
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